広葉樹植林の特徴とコツ(土壌、気候、水、光)

  • 2018.04.04 Wednesday
  • 13:27
広葉樹林業の特徴として

・杉やヒノキ以外の樹種の提供
・広葉樹の落葉が分解するときに鉄と結びつき、結果的に海草が増えやすくなる。
・スギの花粉症で悩む人が選択する・
・生態系の多様性に役立つ。
・伐採し、ぼうが更新すると植林の手間がいらなくなる。
・用材、薪、ホダ木等の需要がある。
・伐採後の枝葉に食用のきのこが生える。
・混交すれば需要の変化に応じて、樹種を残す事が出来る。

 事でしょうか?

短所なのは
 
・草刈りの時に間違って一緒に切る事がある。
・ツル性の植物に弱い。
・まっすぐ育ちにくい。
・面積当たりの材積が低い。
・土壌等を選ぶ。
・ヨーロッパと違って広葉樹の値段が低い。

 かな?

 はっきり言えば、林業に携わる人の知識の低下は杉やヒノキを植林すると失敗する可能性が低い事でしょうか?何でこんなに面倒な事をしているのか後悔をすることもありますが、土地を見る力が養われます。

 ただ、杉の山に仕事をしに行くよりも楽しい事は間違いありません。楽しみは動物や植物が色々みられること。食べられる物があるとラッキー。比較的林分が明るいので、気持ちが楽になります。様々な花も見られる事も。


 八戸市森林組合で植林する木は、ハンノキ、コナラ、ミズナラ、サクラ(オオヤマやカスミ)、イタヤカエデ、イヌエンジュ、ケヤキ、クリ、ブナ、ウルシ、カツラ、アオダモ、トチのキ。

 植栽本数1ヘクタール当たり3000本が主流、時々巣植え。
 補助金を使って植えるのですが、本当はもっと植えればまっすぐに育ちます。予算が無いためにこの当たりで妥協することが多かったです。

 苗木の大きさは1メートルから1.2メートルの裸苗。大きい苗の方が基本的に強く、成長が良いです。80センチだとかなり成長が悪くなります。ブナが0.6センチで苗木屋から来た時は泣きました。草刈りすると苗木が切られてしまいます。苗木が切られると大きく育っても20センチぐらいにしかなりません。こうなると次の苗木の位置の把握も含め訳が分からなくなります。この時は草刈りをしない方針にしました。結果、時間がかかりましたが徐々に成長して大きくなりました。耐陰性もある事から草を刈らない選択も有りだと分かりました。

 基本的に八戸市周辺はクロボク土壌なため、オールマイティーに生えますが。土壌の発達状態で先駆樹種の選択や水条件で種類を調整します。特にカツラは水分があるかないかは成長に大きな差が出ます。光は多い方が良いようです。複層林の様なときにも上層林はかなりあけないと貧弱な状態にしかならない事が多いです。

 杉の中に生えるクリは天然では良い感じになります。

 上手に競い合ってくれればいいですね。


 山林所有者に広葉樹を残してくれと言われたから残したハンノキ。山主に言われたからといって、素直に残すのはどうかと思います。ハンノキは先駆樹種で肥料木です。土地を肥やす為や日陰を作る場合には有効ですが、杉のこの年代で残す意味がありません。早めに切らないと杉がハンノキに負けててしまいます。しかもある年数になると弱り始め、カミキリムシの突入やキノコが生え始めて倒れます。このタイミングで残す意味がありません。山主の意見も大事ですが、きちんと説明も出来ないと山林所有者の為にもなりません。


 ハンノキは成長早いだけと馬鹿にする人がいますが、切ったばかりでパルプ工場に運ぶと良い値段になります。以外に幹が真っ直ぐなために作業が楽ですし、トラックに積む場合もきれいに積めます。しかも水分があると結構な重量です。乾くとスカスカですが。回転率を上げる林業では有効です。昨年は挿し木を試しましたが、失敗しました。今年は自分で実験しようと思います。

 














広葉樹を植林する意義

  • 2018.03.29 Thursday
  • 10:00
八戸市森林組合では私が組合に入る10年以上前から広葉樹造林を行ってます。

25年前に行ったケヤキの一斉造林が最初です。その後杉とケヤキ、カラマツとクリの混交をし始めました。

私の代になってから、樹種を増やしたり、混交の仕方を複雑にしたり、複層林を行ったり致しました。また巣植も行いました。

 どうもレベルが低いなと思い、色々調べた結果自然配植技術協会にたどり着き、かなり影響を受けて土壌、気候、樹形、水、樹種の相性を見る様にしております。

 広葉樹を一番最初に植えた条件として単純に材の値段が高かったからだと思います。また、担当の思い入れもあったのでしょう。25年前ではまだまだケヤキの値段が高く、大黒柱と言ったらケヤキでしたし、様々な部材としても使われていました。今では当時の5から10分の1ぐらいに下がったのでしょうか?値段も付きませんし、良質材も減りました。特に家の材料で使われなくなったのが大きい原因かと思います。

 次に行った混交ですが、ケヤキの一斉林で大変であった樹形の暴れの矯正のために行いました。ケヤキはどうしても扇形に樹形をする特性があり、まっすぐに成長させるには周辺の光を減らして、上に上に成長を促す必要があります。一斉林では枝打をしておりましたが、なかなか剪定が難しいのと手間がかかるので、成長した杉の中に生える広葉樹がまっすぐな事をイメージして混交にしております。また、林業の展開が早く針葉樹と広葉樹のどちらが将来的に良いのかわからないので、一緒に植えて時代時代に合わせた樹種を選択しようとする意味もあります。実際は混交しても広葉樹はうっぺいする前に暴れてしまう傾向が強いので結局枝打が必要でした。また、成長のスピードが杉の方が早いですが、どの程度光を当てればケヤキがまっすぐに伸びるのかが分かっておらず、場所場所で統一感がないのはいがめません。結局はどの程度が良いのかを観察しなければなりません。

 カラマツとクリの混交ですが、どちらも成長が早く上方に向けて成長できます。こちらの現場は少ないので参考になりませんが、枝打が出来れば間違いなく良材が取れるはずです。広葉樹造林の中で最も優れているのはクリだと思います。まず、値段が高い事、様々な所で取引がある事、まっすぐに成長できる事、成長が早い事、クリの実は美味しいけど、猪が出るから問題か?











きみまち杉を見たか?

  • 2018.03.27 Tuesday
  • 13:38
 実は中島彩さんが三戸町で講演することになり、翌日と翌々日に行きたい場所をピックアップして頂き、案内いたしました。秋田のきみまち杉は58mの杉もあるような杉の群落を見に行き、その後津軽の共販所で広葉樹の丸太を見ました。
 次の日は八戸で日曜日の朝に開催される日本最大級の朝市を見た後、八戸市森林組合で行ってきた広葉樹造林について案内いたしました。その後事務所にて作業着を試着して、購入頂き、空港までご案内致しました。
 特に広葉樹の人工林についてはまったく八戸市森林組合の取り組みについて知らなかったとの事で、ブログに色々書いてほしいとの依頼で書くことに致しました。

 時間見て書きますので、何かの参考にして頂ければと思います。

 ちなみにきみまち杉は2度目の訪問となりましたが、前回は夏に行ったので全くイメージが違いました。スギだけを見に行くには落葉しているシーズンがきちんと見れていいですが、夏の方がその存在に圧倒されて良かった感じです。これが日本3大美林と言われる由縁かと納得できます。1本1本の間隔が近い割に伸びがよく、通直完満な材です。
林業人として杉を扱う方はここを視ずに何を語るのかって事で、是非見に行かれた方が良い場所です。屋久杉に次ぐ良いスポットだと思います。とにかく水が湧いて出るような感じで、雪が多い所である事により、サワグルミやトチノキが下層に生えてます。キーワードですね。
 

広葉樹植林

  • 2018.03.19 Monday
  • 13:00
 昨日、林業女子で有名な中島彩さんが八戸に来られました。ずっと前から知っていて逢いたかったのですが、関西の方なので、なかなか逢う機会が無かったです。講演に来られる機会があり、ついでに秋田のきみまち杉を見たいと言う事もあり、ゆっくり色々話をする機会に恵まれました。

 八戸市森林組合と言えば、安全作業着を作っていて有名ですよね!って言われましたが、いえいえ八戸市森林組合は広葉樹の植林の方がもっと存在価値が高いのですよ。とお伝えしました。

 植林面積は平成3年に行ったケヤキの植林から平成29年までの実績は332.26haほとんどの実績は平成10年ぐらいからでしょうか?改良等の天然広葉樹の手入れは236.78haです。私は担当から外れて何年も経ちましたが、私が担当の頃はほとんど広葉樹植林ばかりでした。私がその方向に進めたのは色々理由がありますが、暇暇書いていこうかと思います。

 最初は広葉樹の単層林、その後針広葉混交、単層林の混交、2段林等々。混交は最大7種ぐらいですかね?田子町で行った違法産廃の撤去跡地の植林は含んでおりません。あくまでも林業的な植林です。

 広葉樹の植林の意義
 広葉樹植林の特徴とコツ(土壌、気候、水、光)
 広葉樹の種類
 広葉樹の獣害・つる性植物についてと対策
 広葉樹の植林と樹形コントロール
 広葉樹の下刈りとコツ 
 広葉樹の枝打
 広葉樹の除伐
 
 等々書けばいいのでしょうかね?えらい宿題を頼まれたな。そうです。森林組合規模でこの植林面積や間伐をしている組合はあるのでしょうかね?広葉樹の植林や手入れに関しては日本一かと思います。質を問われると弱いですが。いっぱい挑戦して、いっぱい失敗して、今のところこんな感じで進めていますネタを書けるかな?

 エコ○○ー緑化ではありませんので、そこだけは強く強調致します。

 暇な方は見てみてください。写真のアップがジュゲムしにくいので、写真が少なめでごめんなさい。

仕事の楽しみ

  • 2018.03.05 Monday
  • 11:55
 最近、測量等の仕事を若い職員に任せているのであまり現場でゆっくり観察をすることが減りました。先日、現場の境を出しに行った時に面白い物を見つけました。

 深根性のコナラの根の張り方。教科書どおりに根は張りません。その場その場に応じて変化させます。だから根形図はあてになる様であてになりません。色々な環境条件がありますから!20cm根が張らない面白い木です。湿地帯の脇で成長したので、根が張れません。そして頭が重くなり倒れました。ギャップの始まりでもあり、潜在的に湿地帯近くでは大木になりにくい。また、この木が腐り徐々に土に戻り、また次の木が大きく育つ。

 森で働く楽しみは観察を出来る事ですね。

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